研究

橋本研では,仮想と現実を一つに集束させ,新たなRealityを創出する研究を進めています.特に,我々が日々多くの情報を得ている視覚に着目し,これまでに無かった新たな体験を提案します.

次世代映像投影技術

Stealth Projection & Light Field Projection

映像を現実世界に提示する際に用いられるプロジェクタは,広く日常に普及しています.しかし,その存在は映像演出を予見させるため,仮想と現実の融合が実現する不思議な感覚の妨げとなります.そこで我々は「見えないプロジェクタ」を実現することで,人々に強く訴えかける表現であるプロジェクションマッピングを次世代技術へと進化させます.

見えないプロジェクタの実現には,再帰透過光学系を使った「空中像投影技術」や,裸眼で観察可能な立体像を提示する「ライトフィールド投影技術」を応用しています.これによって,投影装置や計測機材に囲まれるような不自然な環境を廃し,日常生活のなかにプロジェクションマッピングを溶け込ませます.
(左図:体積走査型ディスプレイを用いたステルス投影試作システム)

  • Masumi Kiyokawa, Naoki Hashimoto, “Dynamic Projection Mapping with 3D Images Using Volumetric Display”, Proc. of IEEE VR 2001 (VRW), pp. 597-598 (2021).
  • 清川真純,橋本直己,“Volumetric Displayによる立体像を光源としたプロジェクションマッピングの提案”,第25回日本バーチャルリアリティ学会大会論文集,2B3-4 (2020).
  • Masumi Kiyokawa, Shinichi Okuda, Naoki Hashimoto, “Stealth Projection: Visually Removing Projectors from Dynamic Projection Mapping”, Proc. of SIGGRAPH Asia 2019, Posters, Article No. 41 (2019).

さわれるプロジェクションマッピング

Tangible Projection Mapping

コンテンツとのインタラクションも進化させます.魅力的なプロジェクションマッピングが多数行われていますが,ほとんどが遠くから眺めているだけです.直接手で触れて,その質感を感じてみたいと思いませんか? そこで我々は,「さわれる」プロジェクションマッピングを目指しています.投影されている対象を手で持ち上げて,自由な角度から観察することが出来ます.特殊な機材は必要なく,カメラだけで物体の位置姿勢をリアルタイムに認識します.両手で包み込むように持っても大丈夫.遮蔽を巧みに回避するアルゴリズムを構築しています.

  • ハルバーソン悠太,橋本直己,“Dynamic Projection Mappingのための2視点からの輪郭を用いた物体追跡の精度向上に関する検討”,映像情報メディア学会 創立70周年記念大会 講演予稿集,22E-2 (2020).
  • Yuki Morikubo, Eugene San Lorenzo, Daiki Miyazaki, Naoki Hashimoto, “Tangible Projection Mapping: Dynamic Appearance Augmenting of Objects in Hands”, Proc. of ACM SIGGRAPH Asia 2018, Emerging Technologies, Article No.14 (2018).
  • Naoki Hashimoto, Daisuke Kobayashi, “Dynamic spatial augmented reality with a single IR camera”, Proc. of SIGGRAPH2016, Posters, Article No.31, (2016).

あらゆるものをディスプレイに

どこでもディスプレイ技術

プロジェクションマッピングとは,光で現実の物体の見た目を書き換えることです.ではその「物体」を特定のものに限定しなかったらどうでしょう? 皆さんの普段生活している環境の全てを,光で書き換えられるのではないでしょうか? それは即ち,どこでも自在に,映像世界と一体化できることに他ならないのではないでしょうか? そんな究極の世界を目指した「どこでもディスプレイ技術」実現のための研究に,我々は長年取り組んでいます.今は,室内空間を映像で埋め尽くすことはもちろん,揺れ動く柔らかい物体の見た目をリアルタイムに書き換えることまで成功しています.

  • Naoki Hashimoto, Kazuma Yoshimura, “Radiometric Compensation for Non-rigid Surfaces by Continuously Estimating Inter-pixel Correspondence”, The Visual Computer, Springer, pp. 1-13, DOI 10.1007/s00371-019-01790-8 (2020).
  • Yuka Nakamura, Naoki Hashimoto, “Simple and Accurate Geometric Correction with Multiple Projectors”, Proc. of SIGGRAPH2017, Posters, No. 86 (2017).
  • Naoki Hashimoto, Koki Kosaka, “Continuous Photometric Compensation for Deformable Objects”, Proc. of SIGGRAPH2017, Posters, No. 72 (2017).

最新の研究を動画にまとめていますので,是非ご覧ください.

Gallaryにてたくさんの動画を公開していますので,よろしければ是非ご覧ください.

また,過去の研究事例(~2015)についてはこちらをご覧ください.
https://www.hashimoto.lab.uec.ac.jp/research.html

卒論・修論のテーマ事例はこちら(2016~現在)