映像世界を装着する技術

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RESEARCH THEME 02

映像世界を
装着する技術

Wearable Immersive Displays

広い映像世界を、
身軽にまとう

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手で保持されたHMDの中心部と、その周囲の湾曲スクリーンに風景を投影している実機の正面写真
HEAD-MOUNTED DISPLAY + PROJECTION HMDと装着型スクリーンを組み合わせ、中心から周辺まで映像を届ける
OPTICS × PROJECTION × PERCEPTION SCROLL TO EXPLORE ↓

OUR VISION

視野は広く、
装着は身軽に

視界の先まで、世界が続く体験へ

HMD(ヘッドマウントディスプレイ)は、装着することでVRの世界を体験できるデバイスです。しかし、人間の視野は広く、その全体を映像で覆うことは容易ではありません。

超広視野を目指すと、光学系やディスプレイの構成が複雑になり、コストや装着負担との両立が課題になります。私たちは、プロジェクションマッピング、多視点ディスプレイ、そして人間の視覚特性を組み合わせ、身軽な構成で広い映像世界を体験する方法を研究しています。

中心を鮮明に見ることと、周囲に世界の広がりを感じること。その両方を支える映像提示を目指します。

01 / PROJECTION 投影で補う HMDの外まで映像を届ける
02 / OPTICS 光学的に広げる 小さな画面をミラーで展開する
03 / PERCEPTION 見え方に合わせる 必要な場所へ画素を配分する

01 PROJECTION

HMDの外まで、
映像を広げる

プロジェクションマッピングとの融合

中心はHMDで、周辺は投影で

頭部に装着した軽量なスクリーンへ、外部のプロジェクタから映像を投影します。頭の位置や向きに合わせて投影映像を更新し、HMDだけでは覆いきれない周辺視野へ映像世界を広げます。

頭部に追加のディスプレイを搭載せずに、中心の鮮明な映像と、周囲へ続く映像を組み合わせます。装着する部分と空間に設置する部分で、役割を分担するアプローチです。

頭部装着型スクリーン / 動的投影 / 周辺視野
トラッキングマーカとスクリーンフィルムを備えた装着型スクリーン、および筐体・映像提示機構・頭部固定パーツからなるHMDの分解構成図
FIG. 01a / HEAD-MOUNTED SCREEN + HMD 装着型スクリーンとHMDの構成。トラッキングマーカで頭部の位置・向きを捉え、周辺のスクリーンへ映像を投影する。
HMDと湾曲した装着型スクリーンを斜めから見た実機写真。周辺のスクリーンに風景が投影されている
FIG. 01b / DEVICE IN OPERATION 周辺映像を投影した実機。HMDの周囲を覆うようにスクリーンを配置する。
226°

水平方向の最大視野角

広がりを、装着する部分の外からつくる

研究用システムでは、水平方向に最大226度の視野を実現しました。外部の投影設備が必要なため、装着部分の軽さと、システム全体の構成を分けて設計します。

02 OPTICS

小さな画面から、
大きな視野へ

多視点ディスプレイとミラーによる簡易型HMD

画面の外側にも、映像の続きをつくる

スマートフォンなどの画面を利用する簡易型HMDでも、周辺まで映像を届けたい。そのために、画面の一部へレンチキュラーレンズを組み合わせ、見る方向によって異なる映像を提示できるようにします。

その映像を複数のミラーで反射させ、画面の外側へ光学的に展開します。中心は接眼レンズを通して、周辺はミラーを通して見る構成です。

多視点映像 / レンチキュラーレンズ / ミラー
多視点ディスプレイとミラーを組み合わせた簡易型HMDの前面と背面
FIG. 02a / DEVICE 多視点映像とミラーによる広視野化を検証するための試作装置。
画面両端のレンチキュラーレンズと複数ミラーによって光を眼へ届ける配置図
FIG. 02b / OPTICAL DESIGN 中心映像を観察する接眼レンズと、周辺映像を展開するミラーの配置。

EXPANDING THE FIELD OF VIEW

中心の映像から、周辺へ続く風景へ

視野拡張なしで接眼レンズを通して見える風景
WITHOUT EXTENSION 視野拡張なし
ミラーを通して中心映像の外側にも風景が広がる様子
WITH EXTENSION 多視点映像とミラーによる視野拡張あり

FIG. 02c / 試作装置を通した見え方の比較。撮影視点による表示例です。

ONGOING DEVELOPMENT

つなぎ目と明るさを、より自然に

ミラー間の隙間や、ハーフミラーによる輝度低下は、映像のつながりを損なう要因になります。現在は、光を2回反射させる構成へと発展させ、周辺映像の連続性を改善しています。

2026年の研究では、観察位置が変わったときの隙間や、ハーフミラーによる輝度低下を避けられることを、検討した構成のシミュレーションで確認しています。

03 PERCEPTION

視野の場所に合わせて、
映像を届ける

周辺視野の特性を生かした画質設計

限られた画素を、体験のために配分する

広い視野のすべてに、同じ細かさの映像を届ける必要はあるのでしょうか。中心の映像に近い領域と、さらに外側の領域で画質を変え、周辺視野に必要な精細さを調べています。

多視点ディスプレイの映像をミラーで再配置する際に、領域ごとの画素密度を変える。この光学的な工夫と、人間の見え方を結び付けた映像提示を目指します。

多視点ディスプレイの映像をミラーで反射し、異なる観察角度の映像AとBを左右の眼へ届けて視野を広げる原理図
FIG. 03a / FIELD-OF-VIEW EXPANSION 多視点ディスプレイ(MVD)による視野拡張の原理
正面の画面と左右の周辺表示を組み合わせた予備実験装置と観察者視点
FIG. 03b / EXPERIMENTAL SETUP 正面のディスプレイと左右の周辺表示を組み合わせ、画質と没入感の関係を調べる。

CURRENT RESEARCH

まず「どこまで粗くできるか」を確かめる

現在は、正面の画面と左右の周辺表示を組み合わせた実験環境で、解像度の配分と没入感の関係を検討しています。予備実験から得られる知見を、軽量な装着型表示の設計へつなげます。

HMDだけでなく、普段見る画面の周囲を補うデバイスへ。映像世界を装着する技術の、新たな使い方を探ります。

BEYOND THE HEADSET

広い世界を、
もっと身軽な体験へ

光を届ける仕組みと、人間の見え方。
その両方から設計し、広い視野と装着の手軽さを両立する。

私たちは、映像世界をまとう体験を、より身近なものにしていきます。