OUR VISION
視野は広く、
装着は身軽に
視界の先まで、世界が続く体験へ
HMD(ヘッドマウントディスプレイ)は、装着することでVRの世界を体験できるデバイスです。しかし、人間の視野は広く、その全体を映像で覆うことは容易ではありません。
超広視野を目指すと、光学系やディスプレイの構成が複雑になり、コストや装着負担との両立が課題になります。私たちは、プロジェクションマッピング、多視点ディスプレイ、そして人間の視覚特性を組み合わせ、身軽な構成で広い映像世界を体験する方法を研究しています。
中心を鮮明に見ることと、周囲に世界の広がりを感じること。その両方を支える映像提示を目指します。
01 PROJECTION
HMDの外まで、
映像を広げる
プロジェクションマッピングとの融合
中心はHMDで、周辺は投影で
頭部に装着した軽量なスクリーンへ、外部のプロジェクタから映像を投影します。頭の位置や向きに合わせて投影映像を更新し、HMDだけでは覆いきれない周辺視野へ映像世界を広げます。
頭部に追加のディスプレイを搭載せずに、中心の鮮明な映像と、周囲へ続く映像を組み合わせます。装着する部分と空間に設置する部分で、役割を分担するアプローチです。
水平方向の最大視野角
広がりを、装着する部分の外からつくる
研究用システムでは、水平方向に最大226度の視野を実現しました。外部の投影設備が必要なため、装着部分の軽さと、システム全体の構成を分けて設計します。
02 OPTICS
小さな画面から、
大きな視野へ
多視点ディスプレイとミラーによる簡易型HMD
画面の外側にも、映像の続きをつくる
スマートフォンなどの画面を利用する簡易型HMDでも、周辺まで映像を届けたい。そのために、画面の一部へレンチキュラーレンズを組み合わせ、見る方向によって異なる映像を提示できるようにします。
その映像を複数のミラーで反射させ、画面の外側へ光学的に展開します。中心は接眼レンズを通して、周辺はミラーを通して見る構成です。
EXPANDING THE FIELD OF VIEW
中心の映像から、周辺へ続く風景へ
FIG. 02c / 試作装置を通した見え方の比較。撮影視点による表示例です。
ONGOING DEVELOPMENT
つなぎ目と明るさを、より自然に
ミラー間の隙間や、ハーフミラーによる輝度低下は、映像のつながりを損なう要因になります。現在は、光を2回反射させる構成へと発展させ、周辺映像の連続性を改善しています。
2026年の研究では、観察位置が変わったときの隙間や、ハーフミラーによる輝度低下を避けられることを、検討した構成のシミュレーションで確認しています。
03 PERCEPTION
視野の場所に合わせて、
映像を届ける
周辺視野の特性を生かした画質設計
限られた画素を、体験のために配分する
広い視野のすべてに、同じ細かさの映像を届ける必要はあるのでしょうか。中心の映像に近い領域と、さらに外側の領域で画質を変え、周辺視野に必要な精細さを調べています。
多視点ディスプレイの映像をミラーで再配置する際に、領域ごとの画素密度を変える。この光学的な工夫と、人間の見え方を結び付けた映像提示を目指します。
CURRENT RESEARCH
まず「どこまで粗くできるか」を確かめる
現在は、正面の画面と左右の周辺表示を組み合わせた実験環境で、解像度の配分と没入感の関係を検討しています。予備実験から得られる知見を、軽量な装着型表示の設計へつなげます。
HMDだけでなく、普段見る画面の周囲を補うデバイスへ。映像世界を装着する技術の、新たな使い方を探ります。
BEYOND THE HEADSET
広い世界を、
もっと身軽な体験へ
光を届ける仕組みと、人間の見え方。
その両方から設計し、広い視野と装着の手軽さを両立する。
私たちは、映像世界をまとう体験を、より身近なものにしていきます。